サメ男の映画レビュー

鮫男の独断と偏見でお送りする映画レビュー

【ノーラン作品史上最も難解で単純】映画「TENET」の話

映画「TENET」(2020)

監督 クリストファー・ノーラン

 

ああ、やっと見ることができました。

 

〈時間〉から脱出せよ。

 

私が生涯推し続けるであろう監督クリストファー・ノーランが放つ時空間系SF超大作「TENET」参りましょう!

 

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引用:https://warnerbros.co.jp/movies/detail.php?title_id=56836&c=1


warnerbros.co.jp

 

ストーリー

本作の主人公である超凄腕スパイの名もなき男(ジョン・デヴィッド・ワシントン)が下されたミッションは来る第三次世界大戦を止めること。そのキーワードは〈TENET〉。全容の把握できないこのミッションには〈時間の逆行〉が関わっていた。名もなき男は腕利きの相棒ニール(ロバート・パティンソン)とともに〈時間の逆行〉の真実を解明しミッションコンプリートできるのか、、、

 

この映画をオススメする人

・見たことないもの見たい人

・映画見た後考察したい人

・飛行機がドーンてなるの見たい人(笑)

この映画をオススメしない人

・複雑な話なんて見たくないよって人

・同じ映画を二度見るのが嫌な人

 

ネタバレなしレビュー

【ノーラン作品史上最も難解で単純】

複雑で密度の濃い脚本と前衛的でリアルな映像表現を色としているノーラン作品ですが、今回も監督やってくれました(笑)まるで挑戦状ともいえるべき内容でついてこれるならついてきな的内容でしたね。一回見ただけで物語を全部理解できた人っているのかな?ですが監督お優しいことに映画冒頭で「考えないで直感で感じるのよ」的なことを登場人物が言ってくれます。

 

そうこの映画、考えるな感じろ系なんです(笑)

 

先ほどのセリフ監督からの「考えてみるな感じろ」というメッセージだったのかなと(笑)この映画もともと視聴者に理解させるといった意図はほとんど組み込まれていません。言葉での説明はあまりなくほとんどが視覚情報による説明であり登場人物の関係性までも必要最低限かそれ以下の情報しか与えてくれません。だがこういったことが物語のハイスピードなテンポ間や緊張感を生み出していると言えるでしょう。

 

理解できなくても楽しめるのがすごいところ。分かりやすく序盤ぽとぽとと落としていった伏線は分かりやすい形で拾ってくれるし、時間が逆行するアクションシーン、カーチェイスは今まで見たことのない映像体験でした。この映画「なんかわからんけどすげええ」て思うだけでいいんです。それでこそ映画だなーと思うわけですよ。

 

ぜひ予備知識なしで見ることを私はおススメします。そして鑑賞後にはパンフレットを購入してください全部説明してくれてます(笑)マジでわかりやすいしなんせ公式ですから他人の間違った自己解釈に振り回されずに済みます。マジこれ購入必須。

 

 

 

※ここからは本編のネタバレを含みますので閲覧の際はご注意ください。

 

 

ネタバレありレビュー

【スパイ系胸アツバディ映画】

ノーラン作品の醍醐味は複雑な内容のなかにどこかハートフルさを感じれること。はじめは愛のない夫婦の話で今回の作品は冷めているなーと感じていたところラストは最高のバディモノと昇華しましたね。ロバート・パティンソン舐めてましたわ。めっちゃええやつやん(笑)もはや主人公やん!彼が主演を務めるバットマンの新作もこりゃ楽しみですな。

この映画普通に見ていると名もなき男が主人公ですが、見終わって振り返ってみると映画の終わりから考えると名もなき男のため時間を逆行して助けに来たと考えるとニールが主人公にも思えてくるんですね。順行で考えると名もなき男、逆行で考えるとニールといったように。なんかエモい。

 

余談ですがニール=マックス(セイターとキャットの息子)とかも巷でも考察されていましたね。 

"MAX"と短縮できる綴りの名前は"MAXIMILIEN"逆から読むと、、、

あなたはどう考えますか?

 

【概念の具現化】

ノーラン作品のすごいところって、見たことのないものが見えちゃうことなんですよ。「インセプション」では夢の世界を階層的に描き、「インターステラー」では五次元を本棚として、そして本作「TENET」では時間の逆行を回転ドアを通して表現していた。一見難しい概念を一つのものとして具現化するということである。まさに見たことのないものを見せてくれる監督だなーと、、回転ドアのことに関してはパンフレットに記載されているのでご覧ください。またわかりやすく色も活用。終盤の10分間の挟み撃ち作戦でも赤が順行、青が逆行といったように時間の流れをうまく区別化していますね。 

 

総評として、、

結論として今作も期待を裏切らない最高峰の作品になったのかなーと思います。一つ言わせていただくなら黒幕セイターの世界を滅ぼす動機がなんだかしっくりこない気がして、、末期癌の自分とともに世界を終わらせるってなんだかなあ。そのぐらいのエゴの持ち主だということなのでしょうが、、、なぜ未来人はセイターを選んだのかとか、、まあそういったところも後に考察するのがこの映画の醍醐味かなーと!

ノーラン作品史上最難関である「TENET」ですが、考えてみる必要なし!無知のまま見てうわなんだこれすげええでいいんです。映画は何回でも見れるんです。パンフレットを購入して物語の全容をとらえた後これはこうだったのか!というように確認しながら2周目を見ればよいのです。確かに2回見なければもったいない作品だなーと。考察が終わらない作品ですね。最高ですよ。

あることに気がついたんですが、ノーラン監督映画全ジャンル制覇しようとしているよなあって、「ダークナイト」ではヒーローモノ「インセプション」が泥棒モノで「インターステラー」は宇宙モノで「ダンケルク」では戦争モノ次は恐らく、、

 

「今まで見たことのないスポ根モノ」

 

 

 

 

クリストファー・ノーラン監督好きだなあと再確認した最新作でした。

いつかノーラン特集みたいな記事も書こうかなーと

 

それでは。